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大好きなクルマと大好きな音楽と。

メルセデス・ベンツ

W124を離れる人が増えてきたそうです






とても大切なことですが、ずっと長いこと……たぶん大昔に雑誌やムック本でメンテナンスガイドみたいな記事を量産していた頃以来……書いていなかったので、ちょっと恥ずかしいというか、いまさらわたしが書かなくても大勢のユーチューバーが「悲惨!○○」みたいな煽り動画を山ほどアップしているから、それが正解で常識ということでもういいんじゃないのという面倒くささというか。簡単に言うとですね、今さらオマエの出る幕じゃねえし的な後ろめたさを感じつつですが、とても大切なことなので少しだけ書きます、お目汚しごめんなさい。


最近、W124を降りる人が増えているという話題、あちこちから入ってきてます。仕方ないと思います。クルマの目指す方向や完成度はそこそこ違いますが、言ってみればトヨタ・クラウンと同じジャンルのクルマですから、1990年製のクラウンに乗っている人がメリメリ減ってきてるという話を聞いても、不思議に思わないどころか、まだ乗ってる人がいたのかよ、ってな感じだと思います。

メルセデスのEクラスの数々の素晴らしい特徴は、実用車としての評価の範疇にほぼすべてが存在します。実用車としてその時代その時代のベンチマークとなるほど素晴らしいクルマなのだ、というところが、まず肝心です。それはすなわち、いつでも普通に動いて必要なときに行きたい場所に自分や家族や荷物を運んでくれるよね、という性能がまず担保されていることが存在する意味の前提ということなんです。その上で……、走り味とかデザインとか、最後のメルセデスらしいメルセデスだとかいうことを言いたいのであればそれはそれでいいのですが、そういう所有する歓び的なことは、担保されるべき性能が愛車に揃っていることを確認した上で初めて語り合いましょうという順番だと思います。

そのためには機関を維持する整備が欠かせないのですが、もはやそれがままならなくなってきました。理由は、補修部品です。メルセデス・ベンツもボッシュも、クラシックモデルの部品供給を維持します!とアナウンスしてくれていますが、アナウンスのその先のアクションはいったいいつなんだという状況です。ここに書いたような、W124がメルセデスのEクラスとしての価値を維持するのに必要な最低限の部品も、あれもこれもそれもどれも生産終了されていて新品部品として買うことができません。仕方がないので中古部品を探すと、そこにはみんなが取り合いをしていてとんでもなく高騰した価格でやり取りされている市場があって、多くの常識ある人は新品で1万円だった部品をノークレームノーリターンの中古5万円みたいな条件で買うことを躊躇するわけで、探し求めている部品との素敵な出会いがいつか訪れるのを待つかW124を諦めるかの二択みたいなことになるのも仕方がないよなあと思うわけです。

心折れます、よね。

これはW124に限った話ではありませんが、旧いクルマを愛車として大切にしようと思うとき、そこに性能の話を持ち込んではいけません。動力、コーナリング、ブレーキング、乗り心地、安全性、静粛性、燃費……すべての性能の話です。例えばW124は、1970年代に設計されたクルマです。すべての部品の設計図は、ざっくり50年前に描かれたものです。そんなに旧い設計のクルマが日本で普通に走れるのは、日本の交通規則が同じくらい昔からほとんど変わっていないからだったりします。速いクルマや安全性の高いクルマや静かで乗り心地のよいクルマや熱効率のよい動力源を備えたクルマ、という話題で語ると、存在価値がどこにあるのかわからない、そういうクルマだということになってしまいます。夢中になっているうちは絶対的な性能評価なんてどうでもいいことだったりするんですが、前述したような「維持するだけでも大汗かきの一苦労」みたいな現実が身に降りかかった瞬間、あれ……って冷静になってしまうような気がします。だから、旧いクルマに性能の話を持ち込んではいけないんです。

長くなりすぎるのでここには書きませんが、「質実剛健」や「最善か無か」という標語も旧いメルセデス愛好者にとって心地のよい内容に解釈されて信仰の証のようなことになってしまっている感があります。質実剛健というのは豪華絢爛、贅沢三昧という意味ではないんです。むしろ無駄な金は使わない質素な振る舞いという言い方の方が近いと思います。最善か無かも似たような印象を受ける言葉です。このあたりの大勘違いが常識になってしまったのは、あの頃系メルセデスのことをせっせと盛り上げた雑誌にも大きな責任があると思います。構成、書き手をたくさん務めていた張本人として面目ないと感じます。雑誌をたくさん売っていっぱい広告を獲得したいのだ、という極めてストレートな出版社の要求に応えるのが商業メディアの制作に携わる者の務めだということを盾に今さら許しを請いたい気持ちになりますが、個人的にはできる限りめいっぱいの誠意ある記事づくりを実践していたことも知っていただければ少しはエンマ様への申し開きになるかしら、という思いでもあります。「質実剛健」「最善か無か」というキーワードを赤文字で表紙に書くとおもしろいように本が売れるのは、自動車雑誌を制作している側の人なら誰でも知っていたことだったわけです。

脱線しました、軌道に戻しましょう。


それではW124のような、わたしが大好きなきっとこれを読んでいる皆さんも大好きな、あの頃系メルセデス、あの頃系ドイツ車にいったいどんな価値があるというのか、ということになります。

「創り手の知性の高さを感じる作品を人生の身近に置く」こと。

人それぞれの考えがあると思いますが、わたしの場合は完全にコレに尽きます。

書き始めれば、ねじ1本にも「へぇ!」「なるほど!」「これ考えた人きっと天才」みたいな話がいくらでも見つかります。わたしには、感覚的にも経済的にもそういう作品を身近に置けるレベル以上の自分であり続けたい、という想いがずっと長くあります。恐らく、10代の頃からそうだと思います。その延長で見つけたのが、W126でありW124でありW201であり、ポルシェ944であり空冷911であったということなんだと思います。

人間が何かを作ろうと考えたとき、人間に許されている所作は「カタチの工夫」と「材料の選定」の2つ限り、他にはありません。Eクラスは、メルセデスにとってもっともお金を稼いでくれなくてはいけないモデルですから、しっかりとした利益率を確保した設計であることが絶対の絶対に求められた設計になっています。そして1980~90年代を見据えたEクラスの設計事情がどうだったのかということを推察するに、当時190クラスがなかった小型車枠に3シリーズをぶち込んで大当たりをしたBMWが1つ上の、つまり儲け代がさらに大きな5シリーズに攻勢を掛けてくるのは目に見えていたはずで、ぐうの音も出ないほどしっかりを頭を押さえ込む性能を備えたクルマを価格的な競争力と同時に実現しろという大号令が掛かっていた、はずなんです。

しっかりと利益を出せ……つまり、素材自体や加工にお金が掛かる材料は使えない。
でも同時に、ぐうの音も出ない性能を示せ……ならば、カタチを工夫して安く高性能を求めよう。これって頭がよくないとできないよね。

そして完成したのが、W124というEクラスで、260万台=毎日700台近い台数が10年間休みなく売れ続けた、みたいなとんでもないヒット作だったわけです。

大きな構造や機能はもちろん、小さな部品一つひとつを手にするだけでそこから伝わってくる正解への執念を感じることができます。どれかが尖った性能を有しているわけではなく、けれどもそれらが自分の役割をしっかりと果たし、さらに連なる部品たちとの協調を見据えて正しく積み上げられている様子が見えるW124に、紛うことない「創り手の知性の高さを感じる作品」を、わたしは感じるわけです。


ちょうど昨日、スタッドレスタイヤに交換するために外したホイールを洗ってしまうときに撮った写真を使って、長くなりすぎないように2つ3つだけ紹介しましょう。

IMG_9378

W124の後期モデルが普通に履いていたなんてことのない鋳造の8穴アルミホイール、裏側の写真です。
だだっと書きます。

ホイールハブキャリアに接する面はホイールにとってもっとも肝心な部分の一つです。この部分を全面平らの接合面とせずに外周と内周の2周のリング状の凸部でハブキャリアと接するようにデザインされています。様々な整備環境で使用されることを想定した場合、接合面への異物の噛み込みによる不均等合わせが発生する可能性を減らしつつ、接合面の位置決め精度がもっとも確保できるデザインです。ホイールボルトで締め付けたときの接合の面圧があがるので、ハブキャリアに多少サビが浮いてしまってもその凹凸の影響をキャンセルできる可能性を期待できます。
ハブベアリングキャップがはまるハブキャリアの中心の輪っかに嵌合する丸穴は、数カ所のツメが嵌合する構造になっていて、輪っか全周にはまる丸穴ではないデザインになっています。偏心のない位置決め性とホイールのサビや熱による噛み込みが発生しにくい構造です。道具が揃った整備工場ばかりでなく、オーナーが路肩でタイヤ交換する可能性もあるのだよ、ということかと。
5本のホイールボルト分の丸穴を挟んで、5箇所の分銅型の穴があります。裏側からの大きなざくり穴は軽量化のためだと思われますが、それぞれホイール表側に丸い貫通穴が開いています。設計した人に訊いたわけではないので推測ですが、放熱用と考えるのが素直かなと思います。ホイールハブキャリアには、ベアリング、ブレーキディスク、駆動輪はドライブシャフトの作動に生じる熱が入ってきます。200km/hで1時間みたいな走り方ができる土地で生まれたクルマですから、このような構造については独特の知見があるのかもしれません。分銅穴の外側には水抜き用の切り欠きがありますが、その辺りはまあ当然っちゃ当然です。
表側はディスク形状のこのホイールですが、実は8本スポーク形状を基本として、その間を面でつないだ構造になっていることがわかります。中心から厚みのあるスポーク形状が伸びてますが、8つの穴が開いている辺りで皮一枚みたいな薄さになります。ブレーキキャリパーに干渉しないように追い込まれた形状だと思いますが、8つ穴の周囲にしっかりとしたリブを立てて応力にいちばん効果的な両端を支え、薄い面部分にも小さなリブが5本鋳込まれています。横方向ではなくて縦方向なんですね、ということからこのスポークに掛かる力の向きを想像して楽しんでください……ん、楽しくない? そうそう、もちろん8つの穴は全周大きめのRがあるデザインで、応力集中による破損とか誰にモノ言うてるねん(by MB)形状です。この写真では外周に近いところの両端が角張っているように見えますが、ここはリム筒に入り込んでいるところなので3次元的にはRの連続デザインになっています。表面の写真も貼っておきます。二等辺三角形の底辺と言えばわかるかしら、リム側の長い辺も含めたすべての辺がすり鉢状に彫られた8つの穴を眺めながら、ああこれは回ると風を吸い出す形状になっているのだなと気づくわけです。右側に装着しても左側に装着しても同じ効果が期待できる対称形であって、特にブレーキキャリパーはホイールの表面すれすれのところまできているので、キャリパーの熱を外側に掻き出す効果も少なからず期待できるんじゃないかなと思うわけです。

IMG_9375

もう1枚写真を貼りましょう。8つの穴の形状が完全なる大きなRの連続だということも、こっちの写真の方がわかりますが、この写真でお話ししたいのはバルブゴムを外側からしっかり抱き込むように保護するデザインのことだったりします。195/65-15サイズのこのタイヤは、時速200kmで走っているときに毎分1,666回転、毎秒27回転します。このときバルブゴムが受ける遠心力は想像ができなかったら、いちど30cmくらいの紐の先にバルブゴム(と同じくらいの重量のなにか)を縛って毎秒27回転で回してみてください……人力ではできないと思うけど。バルブゴムってゴムなので、うにょって外周向きに曲がるわけです。で、停車するとまっすぐの位置に戻って、また走ると曲がる。これを繰り返していると、あるとき突然サクッとバルブゴムの土台のところのくびれが折れることがあるんですね。じんわりでなく、突然ゼロになるので、死んで(誰かを殺して)しまうような大きな事故になる可能性が大いにあります。なので、バルブゴムの外周側を支えるデザインになっている、と。同じ時期のポルシェ911はアルミの支柱を両面テープで貼ってましたが、より幅広い顧客層を持つベンツは不用意なことが起こり得ないようにデザインの中に盛り込んだということです。バルブゴム根元のホイールとの取り付け部、つまり折れるとしたらココというポイントからいちばん遠いバルブゴムの先端に取り付けられるバルブキャップは、ポイントへの応力効果も最大なわけで、なによりも軽いことが大切です。あの頃系メルセデスのバルブキャップは、薄い金属をプレス成形したもので綿毛かと思うほど軽量です。そしてよくある黒い樹脂製のものと違い、跳ね石で割れることなく常に屋外にあっても耐候性に不安なく、内部に樹脂製のシールリングまで付いているので、バルブゴムの虫ゴムに異常があっても突然の空気抜けを回避できて、というものです。

IMG_9370

そういえばこのホイール、脱いでも凄いんですということで、タイヤが付いていないものの写真を撮ってきました。リムの筒部分が大きくえぐれた形状になっていることがわけります。大昔にタイヤ屋さんでアルバイトをしていた頃、タイヤの脱着がしにくくてイヤだなあと感じたことを思い出します。タイヤのビード部がこの凹みに落ちてしまって、骨董品みたいなそのお店のタイヤチェンジャーだと引っ張り出そうとするとリムに傷を付けそうになって。当時の国産車のホイールはほとんどずんどう形状でしたし、アフターマーケット品だと今でもずんどう形状が多いと思います。自動車もの書きの仕事を始めていろいろ勉強している中で知ることになったのですが、この凹み、少しでもたくさんの空気を充填できるようにするための性能要件デザインなんです。極端な角度の折り曲げデザインにしなければ、同時に強度も高められると思います。タイヤは、ゴム質や骨組みなどの構造が語られることが多い部品ですが、何よりもまず空気が仕事をしているのだ、というところを知らずに理解することができません。タイヤの中にはできるだけたくさんの空気に留まっていただいてお仕事に励んでほしいところですが、タイヤの外径と内径の差xトレッド幅分しか空間がありません。空気圧を上げすぎると跳ねてしまってクルマが路面から離れてしまいます。そこで、ブレーキやサスペンション機構に干渉しない範囲で、ホイールを内側に拡げて空気のための部屋を拡げるという手を取るわけです。たかがタイヤのエアごときと言ってはいけません。ここ、本当に本気なポイントですから。ポルシェとか、もっとエグい設計してます。ちょうどガレージに928S4というモデルがあるので写真を撮って紹介しましょう。

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ホイールの穴から内側を覗くと、なんと穴のデザインの内側に飛び出すほどの出っ張り、つまり空気のための部屋が拡大されていることがわかります。このクルマの場合ブレーキキャリパーがいちばん外側に飛び出しているのですが、キャリパーの外側とホイールの内側との差は1センチないくらいです。バランスウエイトとの隙間は、5ミリ程度しかないように見えます。奥の方に見えているベージュ色の樹脂部品が取り付けられている高さが、このホイールの本来あるべき内径位置です。こんどホイールを外して検証してみたいと思いますが、1センチ以上の凸凹が鋳込まれているんです。空気にたくさん留まってもらうための空間づくりのためです。ここまで極端ではないにしても、メルセデスもW124の何の変哲もないアルミホールにも同じ設計思想を盛り込んでいるというわけです。それにしてもこの928S4のホイール、どうやってこんな変なカタチを鋳込んだんでしょうね。外側はともかく、内側の鋳型が抜けない……ようにしか見えません。こんど外してゆっくり検証するのが楽しみです。


もう読み疲れましたよね。放っておけばこの下に何メートルも文字がぶら下がるくらい書き続けてしまうのでこのくらいで締めますが、つまりこういうことだと最後に書きます。

30年以上、世界中のいろいろなクルマの間近に居られる仕事をしてきましたが、この頃の20年間くらいのドイツ車がエンジニアリングに興味のある愛車家たちに与えてくれるトキメキは、本当に格別のものだと断言できます。クルマというのは、実はもう十分に成熟した工業製品なので、まあ言い方はアレですが、そこそこな感じで作っても大きな問題を起こさない程度の製品ができてしまうんです。製品へのエンジニアリングのこだわりと、商品性つまり売れる売れないという意味での優劣はほとんど関係ない時代に到達して久しいです。そんな、言ってみれば技術的ロマン飽食自動車時代にあって、溢れるエンジニア魂をそこここに見つけることができる作品を自分の人生の身近に置くという歓びは、それを手放してはいけないという強い執着を沸々とさせたとしても何の不思議もないことだと思うんです。


あの頃系メルセデス、あの頃系ドイツ車の魅力について、わたしが思う価値観の話を書きました。こういう価値観とEクラスの実用性を例えばW124という旧いモデルで両立させるためには、いろいろなハードルを越え続けることとセットになってきていて、次第にハードルの数が増えてときどき高いハードルが出現する状況深まることも容易に想像できるんです。でも、頑張れば超えられないほどのものでもないだろうなとも思います。なにしろ信じられないほどの台数が作られたクルマです。愛好家も少なくありません。これまでの30年くらいのようにはいかないけど、この先いったい何年くらいクルマの運転ができるんだろうかと思えば、あとちょっとじゃんという世代の人も多いんじゃないでしょうか。

その手を離さないで……と、そう言われているみたいな気持ちになっちゃうんですよね、わたしは。離してしまったらきっと再会できないでしょうから。

皆さんはどうですか。




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W126スピーカーシステム Seri.3 製品版1号機、まもなく






あの頃系メルセデスW126 スピーカーシステム・シリーズ3、年の瀬になってようやく製品版の部品が1セット分完成しました。

フロント用、リア用、純正フロントシート用
BassPLUS+キット、です。今回もけっこう複雑なリクエストで加工をお願いしたのですが、図面、あるいは手削りの型を忠実に再現してくださった職人さんにはほんうに感謝です。CFRPFRPそれぞれの専門家の知見を踏まえたアドバイスを交えながら、1つひとつのカタチが仕上がってゆくわけです。

クリスマスの週は、都内での取材にはじまって、大阪、兵庫、名古屋とほぼ旅の人状態だったので、晦日の本日もわたしが行うべき製作作業を進めています。1月中には、長期お預かりの後、一時退院いただいているW126に再度ご来場いただき、リアスピーカーも交えたDSPフルシステムを完成させます。


2024_1230_W126_parts

写真は、わたしのガレージで行う最終加工の途中の状態なので、きちんと完成したら改めて写真を撮りますね。

思えば、わたしのW126のフロントスピーカーで試作を始めた2011年2月。手加工のウェットカーボンのバッフルボードにフォステクス製FE83Enをポン付けしたおもちゃみたいなものをダッシュボードで鳴らして、でもそのときすでに職人さんに無理を言ってカタチにしてもらったFRP製W126専用エンクロージャーは組み合わせていたのですが、きっとこういう感じのハズ!という期待に反したスカスカでキンキンしている鳴り音に愕然としたところから、ヤマグチスピーカーシステムは始まっています。

音の回り込みを遮断する、聴き疲れの原因を排除する、車外への音漏れを圧倒的に減らす、繊細なホームオーディオ用スピーカーユニットを過剰動作によるノイズを回避しながら鳴らし切る……1つ解決すると、また次の課題が見えてきて、ほんとうにやるべきことがこんなにあるのかという感じだったことを思い出します。

板を買ってきてスピーカーのっけて鳴らすだけでは絶対に超えられない……つまりヘビーデューティ仕様な車載用ではないユニットを使いながら、ノイズが出てこない小さい音で我慢して……というところから離れて、車内でしか味わえない音楽を浴びる感激まで到達することに、自分がやる意味があるというか、家と同じだったら家で聴けばいいわけで、クルマの中でしか楽しめない新しいエンターテイメントにまで昇華させた「何か」を作るんだ、という目標の達成は、そんなに簡単なはずないじゃないか的だったわけで。当たり前ですよね、新車発売から40年間もあったわけで、そんなに簡単なら39年くらい前に誰かが完成させて提案しているわけで。

ま、よけいな話が長くなりましたが、今年の夏頃からサウンド検証用の試作までだったW126用スピーカーシステムのすべてのアイテム(フロント/リア/BassPLUS+)の、製品版の1号機が完成間近になったことで、ようやく安心してオーダーを受け付けられるようになりましたというお知らせです。

お問い合わせ、お申し込みは、以下のリンクからお願いします。
すでにお問い合わせをいただいている方には、ようやく整った正確な情報をもとに順次連絡をいたします。

【W126スピーカーシステム】

ちなみにサウンド検証用で鳴らしたサウンドは、ですね……車内の空間がゆったり広々してるW126の特徴をドキドキするほどの音楽空間に上手に活かすことができていると確信しています。

W126オーナーだけの特権、もちろんあるべきでしょう。それ、わたしが用意します。




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