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大好きなクルマと大好きな音楽と。



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Munchen, Germany '05
text, photo / Munehisa Yamaguchi
   
輸入車に乗ろうと思う

クルマは工業製品だから、性能に普遍的な価値はない。諸元表の数字に憧れて手に入れたクルマは、ほどなく諸元表の数字が手放す理由になる。だから、永く付きあうクルマを買いたいなら、無闇に数字を追いかけないことだ。デザインでもいい、色でもいい、エンジン音でもいい、カーブを曲がる感触でもいい。自分の感性を心地よく刺激する1台を見つけ出すことが大切なのである。そういう意味では、輸入、国産という別は、クルマ選びの本質ではない。

それでも、輸入車のステアリングを試しに握ってみることをお勧めする。シートの座り心地や、ステアリングを回していくときのタッチ、ボディのしっかり感。どういうわけだか、国産車とまったく違うポイントにコストをかけているクルマが少なくないことに、気づくはずだ。機械的に突き詰めていくと、すべて正当な理由と理屈があるのだが、そんなことはどうでもいい。クルマはカタログで選ぶのではなくて、実際に動かして見つけるものだということが分かれば、輸入車へのハードルは意外と低い。

クルマ探しは、自分探しの旅。

いいものの価値は世間的に普遍なのではなく、個々の価値観において不変なのだと思う。最高だと思える1台との出会いは、自分の中の価値観を見つけた瞬間に他ならない。輸入車がいいなと思えるのは、数字ではなく、感性に訴えかけるそんな部分にこそ心血注がれてるクルマに溢れている点にある。いつまでも飽きのこない1台に巡り合おう。

2005 copyright / Munehisa Yamaguchi
text / Car Sensor 2004 Vol.11
掲載