「S124 3D system 受注開始。」
2025/03/24 09:12 Filed in: スピーカーシステム
S124(ワゴンモデル)の音楽空間的難しさとは、室内の細長い筒形状、さらに具体的に言うと、リア(ドア)スピーカーより後方にドーンと長大な空間が存在していることに一因があります。この空間は、フロントシートに座った乗員の耳の位置とリア(ドア)スピーカー間の距離よりずっと長く後ろに伸びています。さらにこの空間の床板は、走行時にずっと鳴り続けています。耳の奥にモヤッとする圧を感じたら、それはリアシート後方に広大に拡がった床板のドラミング音です。さらに速度を上げれば上げるほど、リアゲートの外側には強い負圧が発生し、リアゲートを引き上げようとする不規則な応力により、これもまた鳴り続けます。これらのことは、S124に限ったことではなく、ワゴン形状のボディを持つすべてのクルマに共通した弱点です。加えてS124のリアスピーカーはドアのインナーハンドルという低い位置に装着されているので、フロントスピーカーがダッシュボードの上方に拡げた音楽の音像を、グンと引き下げる傾向があります。
かつて製作をしていたS124のリアドアスピーカーは、ごく小径のスピーカーユニットであること、yamaguchi speaker system で唯一エンクロージャーを持たないフリーエア駆動であるこから、音量的にとても控えめな製品でした。このことが幸いして、音像を床に向かって引き下げる悪影響は薄く済んでいましたが、もっと大きな音でしっかりとした仕事をさせようとすると、必ず音像に与える悪影響についての落とし前をつけておかないといけない存在というわけです。
斯様に、S124の音楽空間創造は、セダンやクーペモデルに較べて難しく、音による積極的なコントロール不在のリア空間と、音像を引き下げる低い位置で鳴るリアドアスピーカーについて、どういう解決方法があるだろうとずっと思慮してました。

S124 3D system を開発しました。
特許申請中のNDロードスター3Dシステムがほんとうに大好評で、装着されたオーナー諸氏が口を揃えて、もうフロントスピーカーだけの平坦な世界には戻れないと絶賛してくださいます。この仕組みの開発経験と、数多くの装着を通じて得られた数多くの感想を追い風に、S124とじっくり向き合って開発しました。もっとも効率的に3D効果が得られるように……というより、前述した広大な無法空間を積極的な制御下に置くことに念頭に製作しました。DSPのセッティングデータのロジックは、ロードスターとまったく異なります。
言うまでもありませんが、実際の視聴に於いてS124 3Dシステムの存在感はほぼゼロです。ステージに背中を向けてライブを観るような不自然さは、わたしのもっとも嫌うところです。ほとんど存在感がないのに、3Dシステムをオフにすると明らかにもの足りなくなる存在感。フロントスクリーンに拡がる音楽の景色の中から、ボーカルやギターの躍動だけ目前に浮かび上がる感じ、リアドアスピーカーを鳴らしていてもこれまでより一段高く、目前の高さに浮かび上がる音像。
そんなS124 3D system の受注を開始しました。
効果のキモとなっているDSPのセッティングデータの書き換え作業を含めて、35,000円(税別)です。取り付け工賃は30,000円(税別)で、2泊3会場のお預かりが必要です。
DSPパワーアンプ未装着の車両では、8チャンネル分のパワーアンプが内蔵されたDSPパワーアンプを購入していただくことが必須になります。かつてDSPセッティングメニューを実施していただいたS124では、AP8.9bitという8チャンネルパワーアンプ内蔵の機材が使われている場合は上記の費用だけで実現できます。もし、AP4.9bitという4チャンネルパワーアンプが使用されている場合は、上記の他に4チャンネル分の小型パワーアンプを追加する必要があります。持ち込み機材を使用したセットアップはお断りしています。
具体的な相談は個別に伺いますので、どうぞ下記のWebサイトからお申し込み、お問い合わせください。
【 W124 yamaguchi speaker system 】
ちなみに、この動画は S124 3D system の開発過程で記録したものです。奥行き感やBassPLUS+が体に伝える音楽の要素についてはここで再現すべくもないのですが、各楽器の生々しいエッジや、胴の深さ具合が見えるようなドラムスの響きあたりが好きと感じてもらえれば、きっとあなたとわたしの音楽的な感性は近いと思います。何を聴いても満足してもらえるはずです。ぜひ、音質のよいヘッドフォンで聴いてみてください。
【S124 3D system sound DEMO】
※ぜひ、Facebookでわたしをフォローしてください。ブログよりも更新が楽なので、スピーカーシステムの話、クルマの話、はるかにたくさんの発信をしています。簡単な動画ですが、スピーカーシステムの音を車内で録音したファイルも、Facebook内にはたくさんあります。鑑賞だけならアカウントは不要です。下のFacebookのURLから飛べます。
facebook / Yamaguchi Munehisa
Twitter / nineover
《blogの先頭に戻る》 《TOPページに戻る》
*******************************************************