JBL BASSPRO HUB のこと。
2024/09/10 02:52 Filed in: スピーカーシステム
みにくい「自前サーバーブログ」が続いていますが、もうしばらくご辛抱ください。facebookに寄せられた視聴環境ごとの見え方について、対策を検証しています。
ガレージでJBL BUSPRO HUB というサブウーファーを分解しました。A124(W124カブリオレ)にスピーカーシステムのフルシステムを組ませていただいたときに使用したものですが、故障してしまって取り外したものです。残念ながら保証書が見当たらないということで、新品をもういちどお買い上げいただくことになってしまったのですが、取り外した故障品はいつか復活させてやろうと思い取り置きしていたのでした。

取り付けてDSPセットアップをする前、元気に鳴っていたときの動画です。もう4年も前なんですね。
今回、少しくらい修理に手間とコストが掛かってもいいから直してみようと思い、分解しました。PRT(プロテクション)という赤いLEDが点灯して、反応しなくなるという症状。ウェブで公開されている英語版の説明書によると、この赤いLEDは、回路のショート、電源電圧の過不足等の異常を検知したときに点灯するとのこと。使用開始後1年も経っていない機材なのでコンデンサーのパンクということはないでしょう、と。ハーネスの短絡か電子基板のはんだ付け不良か、ひょっとしたらはんだくずのような通電性のゴミでも転がっているか、そんな感じじゃないのかなと、楽観的にイメージしながら分解したのでした。
結論から言うと、目視で確認できるような不具合箇所はなく、これは余計なことを考えずに捨てることにしました。電解コンデンサー内部のショートとか、スピーカーユニットのコイルが擦れて短絡しているとか、パワートランジスターがパンクしたとか、いろいろ考えられるんですけど、テキトーなことをして、仮に音が出るようになったとしても火が出たりするとタイヘンなことになりますから。

それにしてもJBL BASSPRO HUB、これがたった5万円で買えたんですね、という内容です。密閉型の2分割式エンクロージャーと、スピーカーユニットを保護するためのカバーは、すべてアルミダイキャスト製です。11インチ=28センチ径のスピーカーユニットは、スペアホイールに取り付けるボルトが貫通できるよう、ドーナツ型の特殊な形状です。つまり、他の機材と共有の使い回し品ではなく、完全にこの機材のために作らたユニットということです。エンクロージャーの中に収まるパワーアンプの回路も、汎用のチップセットが載っかったものではなく、この機材のためのオリジナル回路だと思われます。電源部にも音声部にも大きなコイルを組み込み、大きな容量の電解コンデンサーをドカドカと……プリント基板のパターンをチェックしていませんが、並列につないで大容量のキャパシターとして電源系で使ってるのでしょう。もちろん半導体は、汎用のものを使っているのでしょうから、完全オリジナルではなく、アレンジメント回路ということだと思いますが、それでも十分に立派です。

1980年代〜1990年代中ごろの日本製オーディオ機材は、半導体まで独自設計の専用品がたくさん使われていましたが、今となってはAliExpressとかで1枚300円くらいで売られているような汎用のチップセットをアルミ筐体に入れてるだけの製品だったりします。数年前、アルパインとカロッツェリアのパワーアンプの中身が、電子基板のプリントパターンまでほぼ同じ……2万円程度の安い製品ではありましたが、そういう日本製になってしまったことをこの目で確認しちゃってからは、大きな看板で商売する作っている人の顔が見えない日本製オーディオ製品への期待も信頼も消滅してしまいました。創意に溢れていたあの頃から半世紀近く経ってるわけですから、という片づけ方ではよくないような気がしますが、変わってしまったという事実は受け止めておくべきでしょう。
JBL BASSPRO HUB、JBLのカーオーディオ部門が日本市場を撤退したことで手に入りにくくなり、それからいくらも経たないうちに、製品自体が廃番になってしまい完全に入手不可能になってしまいました。その後、確か1年くらいして、フランスのBLAMという会社から、まったく同じ筐体を使った製品が登場したのは奇跡のようにラッキーな出来事でした。今やハーマン/カードン、AKG、マークレビンソンと並んで韓国サムスングループの巨大な傘の下に入った名門ブランド"JBL"と、ホームページに会社のメンバーが写真付きで紹介されているような2013年創業の若くて小さな会社"BLAM"の間にどういうやり取りがあったのか知る由もありませんが、とにかくよかったよかった、ということです。JBL時代の2倍近い9万円という価格は、企業規模からイメージできる販売数を考えると妥当でしょう。
というわけで、残念ながら復活を目論んでいたJBL BASSPRO HUBは、燃えないゴミの日を待つことになりました。
そういえばちっとも関係ない話ですが、audison B-CON が2セット届きました。1台は週末までにマツダ・NCロードスターに、もう1つは今月中にポルシェ911/993に装着する予定です。

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